天気がいいのはいいけれど、暑いと集中力が…。
DABUROKU TOURING No.13発刊
基本的に田舎もんなので田んぼを見ると妙に落ち着く…
龍澤寺の苔むす石段 西予市城川町
目的地を決めず家を出発することが多いのですが、この日はどうしても行きたい場所を1ヵ所決めて、あとはぶらぶらするツーリングです。ぶらぶらしながら最初に訪れたのは西予市城川町にある曹洞宗の龍澤寺(りゅうたくじ)です。
到着したら、◯に十字といえば鹿児島の…「え?なんで島津氏?」って感じです。
本堂へと向かう川にかかる偃月橋
もともとは鎌倉時代に開かれたお寺だそうですが、鹿児島藩主・島津元久(七代)の長男がやって来て再興したんだとか。詳しい説明は下にゆずります。
愛媛県下最大の巨刹!知らんかった
で、偃月橋を渡り仁王門をくぐると…。
石段の向こうに見える山門
日陰もあり、風も吹き、厳粛な感じもして空気がヒンヤリしています。気になるのは蚊かな。いや〜、実際はもっとすごい感じですが、写真が下手なのでスケール感が伝わりません。あらま。たぶん、これだけ日が昇ってしまったらそういう雰囲気の写真にはならないのかなぁと思ったり。
山門にはいろいろな彫刻?が施してありますが一番気になったもの
山門を抜け、もう一つの門をくぐると本堂です。見ると「合掌礼拝をしましょう」みたいなことが書いてあります。やり方があってるかどうか知りませんがそこは「気持ち」ということで、なんとなく合掌礼拝。本堂に上がってお参りもできます。仏教美術とか、そういうのには興味がありつつ、信仰心はというと、全くとほほな感じなので僕みたいな人間が簡単に上がっちゃいけない気がして本堂にはあがりませんでした。
参道を下りて駐車場へ。公園管理棟へアイスを買いに立ち寄りました。キャンプ場があるんです。地元の方が西予市から公園の管理を委託されています。店番のおばちゃんは気さくな方で、いろいろ教えていただきました。6月は一帯に飛び交う蛍やあじさいを、秋は紅葉を観に訪れる人で賑わうそうです。
バンガローは1棟1日1500円なので(テントサイトもあるよ)、ここで一泊して早朝、夕方、夜にいろんな写真を撮るのもいいかもしんないね。ちなみに龍澤寺では1人3,500円(5名以上・要予約)にて、五法五味五色の本格精進料理が楽しめるそうです。
管理棟の天井からぶら下がっている麦わらで編んだ飾りというかオブジェというか、それがなかなか綺麗だったり。おばちゃんの手作りです。こどもの頃は虫かごにしていたそうです。
色艶の良い新しい麦わらで螺旋に編むもんだから、さらに綺麗に見える
僕:これ、どうやって虫を入れるんですか?蓋でもあるの?
おばちゃん:こどもの頃は上手に編めないから隙間がたくさんできて、そこから虫を入れていたけど、大人になって上手になると隙間なく作れるようになって、入れれないのよw
だってさwおもしろいね。蛍を入れるととても綺麗な虫かごになったそうです。「入れれるほど隙間が大きいということは逃げないのかな?」と不思議に思ったのですが、よもぎを入れれば逃げないそうです。なるほど、よもぎに蛍の卵がついてるのを見たことがあるわぁ。
おばちゃんがこどもの頃はみんなが編めたそうですが、いまでは編める人も少なくなったそうです。バイクなもんでバッグの中で潰れちゃいそうなので買うのをあきらめて、今度妻と来た時にでも買おうと思います。
ダートの先の綱付山展望台 北宇和郡鬼北町
龍澤寺を後にしてこの日の一番の目的地である綱付山(つなつきやま)展望台をめざします。しかし出発前にGoogleで調べても道がよく分からず、まぁ後は現地で聞くしかないなと。
龍澤寺を後にして綱付山展望台に向かう途中で見た田園風景に感動してしまったり。
空と田んぼが近い!
魚眼レンズに初挑戦w
魚眼レンズは、OLYMPUSのフィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980(9mm F8.0 Fisheye)。9,000円しないお手頃価格です。使い慣れませんが、写真の楽しみが広がりそうです。
地元の方に聞いたら「綱付山」よりも「内山」(うちやま)という名前で呼ばれているようで、合わせて3人の方に聞いて道を教えてもらいました。総合すると、「国道441号線にあるバス停『生田(いくた)』のそばの橋を渡り、突き当たったところにある清水酒店を左に曲がったらあとはまっすぐだよ」です。よっしゃ〜、Let's go!
バイクはぶれてないけど風景は流れるという写真を撮ってみたいw
ひたすらまっすぐ!そしたら妙なダートの林道に突入。両脇の生い茂った雑草で道がどんどん狭くなる…。絶対に違う!なんとか林道の入口まで引き返し、道案内を確認。
林道の入口にある道案内。どこにも展望台の案内がないので、よくわからん…
僕の頼りない方向感覚では「三間町 音地方面」に行けばいいような気がします。こういうときはいつもの「え〜い、ままよ」です。つまり、いままでまっすぐ来た道をここで左に曲がることになります。
そしたら「展望台2.9km」の案内を発見。「ここだ!」と思って見たらダート…。以前走った
神南山へのダートと同じ地質です。ううう。
これはまだいい方です
雨が川になってコーナーの内側を削っています。クネクネした道だから右側を走ってもつぎは左側というように、雨がえぐった溝を越えるのが大変。転倒の危険を感じて停車すると、転がっている石が小石とは呼べないような大きさだから車止めみたいになって発進に難儀したり、足をつこうとした地面がえぐれていて立ちゴケしそうになったり、法面が崩れていたり。ストレスMAX!休憩の度にコーヒーを飲んでいたせいもあると思いますが胃が痛くなってきました。やっぱりこういう道はオフ車のもんですね。残り500mぐらいのところから綺麗なアスファルトに変わりほっと安堵の溜息。よくぞ転倒せずに上がれたもんだと。で、展望台のある駐車場に到着。
ここまで油温計の針が振れることはめずらしい気がします
登りながら、はっきりしない空模様だということは薄々気がついていました
トイレも自動販売機も何もありません。あるのは展望台オンリー!展望台に登ったら360度のパノラマです。
中央ぐらいが北だったかな
中央ぐらいが南だったかな
ヘトヘトな上に空もこんな感じなので報われない感じですが、行ってよかったかどうかと問われれば「良かった!」です。道が舗装されるのを期待していますが、どうかな〜。展望台は平成16年建設と書いてありました。12年間こんな感じの道ということはこの先もあまり期待できなさそうです。帰りも転倒せずに無事下山できました。よかったよかったw
堂の坂の棚田 西予市城川町
この日一番の目的が不発だったような何とも言えない気分のまま帰宅するのもなぁと思いながら県道35号線を走っていると…。
棚田!龍澤寺からそれほど離れていない所にあります
「田穂」という地区ですが、棚田自体は「堂の坂の棚田」と言われているようです。ツーリングマップルを開いてみたらちゃんと載っていて「1枚1枚が弓形に伸びた美しい棚田が広がるにほんの里」とあります(ツーリングマップル中国・四国2015、P79、G3)。
県道35号線からの道を進入禁止の道に入らないように上がっていけば、「P」の看板。こういうところに来た時はすれ違った地元の方と必ず会釈、あいさつを忘れずに。
一番上から
石垣と緑のコントラストがおもしろいなぁと思う
一粒でも多くのコメを収穫しようという植え方が綺麗な模様を生むというのがスゴイと思う
数学者が解析した、最も収量が上がる植え方と、棚田のこの模様が一致したら感動は倍増するに違いない。
龍澤寺から綱付山に向かう途中で写真を撮った田んぼでもここでも、アオサギが水生動物を探していました。水田が持つ一つの役割を見たような気がします。人が水田や棚田を観ようと訪れたり、見て心が和んだりするのは、長い人類の歴史にも根ざしたものなのかもしれません。朝や夕の光が当たっていなくても、水田の緑に僕は感動せずにはいられませんでした。秋、金色に輝く頃にも訪れてみたいと思います。
にしても暑かった!汗びっしょりでした。
【追記】
1)この日のツーリング出発前の燃費(エアフィルター交換前)…25.4km/L
2)出発から綱付山に登る前の燃費(エアフィルター交換後)…33.7km/L(計算間違いしたかと思うぐらい良い。いや、してるかも)
3)綱付山に登って下りて帰宅直前の給油…25.3km/L